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油断して・・・ウトウト

カラダノナヤミ NO.9
グッスリ睡眠。とれていますか?

睡眠のメカニズムを知って、ココロもカラダもリフレッシュ。

仕事にプライベートに自分磨きに・・・。忙しい毎日に睡眠時間は足りていますか?「寝ても疲れが取れない」「仕事中に眠くなる」といった症状に心あたりはありませんか?女性のキレイは夜作られます。
睡眠研究のスペシャリスト・スリープクリニック調布の遠藤拓郎院長にお話をうかがいました。

遠藤 拓郎先生

毎日分刻みのスケジュールにも関わらず、朝から活力に満ちていらっしゃいます。
センセイ、パワーの秘密を教えてください。


睡眠時間が少なくても、毎朝5時半には起きて朝日を浴び、体内時計をリセットしているのが強みですね。リズムを崩すと調子が悪くなることを体験的に判っているので、毎日同じ時間に寝起きする生活を続けています。ビジネスシーンでも、最近は朝7時台から出社する“朝型派”が定着していますよね。“朝型派”は、仕事のパフォーマンスが優れています。“朝から元気”な人が一人でも多く増えるように「どう眠るかで、人生は変わる!」と提唱しています。



睡眠の大切さを理解しながら、つい二の次にしてしまいがちです・・・。


眠っている間、体内では様々なホルモンが分泌され、昼間酷使した身体と脳を修復しています。例えば、寝入りばなの3時間は、肌を若々しく輝かせる成長ホルモンが大量に分泌され、まさに美肌のゴールデンタイムといえます。また、睡眠の後半、午前3時頃から分泌される「コルチゾール」というホルモンは、体内に蓄積された脂肪を燃焼し、エネルギーに変えてくれます。つまり寝ながらにしてダイエットをしているわけです。
睡眠は、ただ休むだけのものではなく、美容やダイエット、何より昼間の活動を支える貴重なメンテナンスタイムなのです。



睡眠のメカニズムは、どうなっているのでしょう?


人は眠りに入る時、体温が1度くらい一気に下がっているのが判りますね(表参照)。この時、冷たい血液を全身に巡らせて体温を下げるラジエーターのような役割をしているのが「手足」です。

したがって、寝つきをよくするには、室温や布団の中の温度を調節して、手足を冷やしてあげるのが近道です。ただし重要なのは「手足を冷やしすぎない」こと。特に女性は冷え性の方が多いですよね。眠るために体温を下げたいのに、手足が冷たすぎると逆に体温を上げようと脳が指令を出し、不眠を招いてしまう・・・。冷え性にお悩みの女性は、就寝時に手袋や靴下を着用し、それでもだめなら、湯たんぽをお薦めします。湯たんぽは最初温かく、布団内の温度が上がってくると自然に冷めるので、布団内の温度を快適に保つので快眠に効果的です。

表中の「メラトニン」とは、人を眠らせたり起こしたりするのに大切なホルモンです。メラトニンと体温は逆の動きで相互に影響しあい、人を眠らせたり起こしたりしているのです。

「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」は、どんな状態を指すのでしょう?

浅い眠りで夢を見るのがレム睡眠です。レム睡眠は、心のメンテナンスや、昼間取り込んだ情報を記憶する役割を持ち、明け方多く出るのが特徴です。
対して、夢を見ないのがノンレム睡眠で、寝入りばなの3時間に深いノンレム睡眠が出ます。深いノンレム睡眠が出る3時間は、先ほど申し上げた美肌のゴールデンタイムと重なるので、この時いかに質の高い睡眠をとるかが重要です。

いつ、そして何時間寝れば、質の高い睡眠といえるのでしょう?


人は何時間眠るのが一番いいの?というと「6時間半~7時間半」です。アメリカの研究者によると「6年後に生存している可能性が高い人は、6時間半~7時間半の睡眠を守っている」というシビアな統計も出ています。
理想的な睡眠のコアタイムは?というと「0時~6時」です。



0時に就寝して7時間前後の睡眠。耳がイタイ条件です。


働く女性にとって7時間睡眠を確保するのは高いハードルですよね。
ですが、仮に6時間しか睡眠時間を確保できなくても、「0時から6時まで眠る」のと、「3時から9時まで眠る」のとでは、その質は大きく違います。3時から眠る後者は、明け方に多く出るレム睡眠と、寝てから3時間の間に出る深いノンレム睡眠が同時に出ようとして、両者とも不完全になってしまう・・・。結果、心身のバランスを崩しがちです。同じ6時間睡眠でも、就寝を「0時~6時」の睡眠コアタイムにあわせて設定することで、睡眠の質はグンと良くなります。
どうしても4~5時間しか睡眠時間を持てないという方は、せめて決まった時間に寝起きする習慣をつけましょう。コンパクトな睡眠でも、リズムを作ることで体調は明らかに良くなります。

遠藤 拓郎先生

理想的な1日のスケジュールを教えてください。


7:00 起床&朝食

1日24時間に対して、体内時計は25時間。この1時間のズレをリセットしてくれるのが「朝の太陽の光」です。毎日朝日を浴び、朝食でリズムづけすることが大切です。また、早朝ハードな運動を行うと体温の変化とともに眠気が襲い、午前ワークに支障をきたします。長風呂も同様。運動や入浴は夜に行うのが基本です。


12:00 ランチ&昼寝

ランチ後の昼寝休憩は、疲労感が解消され、午後のパフォーマンスもアップします。但し、深い睡眠に入る前の「15分間」を目安に。この時、目をつぶってリラックスするだけより、思い切って熟睡する方がより効果的です。


15:00 ブレイクタイム

嗜好品の中でも、カフェインの持続時間は8時間以上。昼間の眠気覚ましには効果的でも、15時以降の摂りすぎは睡眠の妨げに。コーヒー党の方は、15時以降はデカフェにするなど工夫を。


19:00 夕食

キムチなど、体温を一気に上げる辛い食べ物は快眠に効果的です。鍋料理や汁ものに唐辛子を入れて食べるのも○。アルコールは、夕食時に嗜むのがベスト。寝しなの深酒は、睡眠中の交感神経を興奮させて眠りを妨げるので注意を。


20:00 運動

過激な運動は交感神経を刺激するのでNG。ウォーキングや軽いストレッチで体のコリをほぐし、体温を上げましょう。


23:00 バスタイム

入浴は就寝の1時間前くらいがベストです。38℃~40℃程度のぬるめのお湯に10~20分ほどつかってリラックスを。


24:00 就寝

テレビ、PC、携帯電話・・・。電化製品の明るさは脳を覚醒へと導いてしまうため、寝る直前の使用は控えましょう。読書灯は光を直切り??目に入れず、本だけを照らすように。

 

快眠に効く環境づくりのポイント


■温度・湿度
部屋の室温は、冬なら18℃~20℃、夏は27℃~29℃に設定を。同じくらい大切なのが湿度管理です。エアコンや加湿器を使って、常に50~60%の湿度を保ち、快眠環境を整えましょう。


■寝具
スムーズに“寝返り”を打てるかが寝具選びのポイントです。寝返りは、体温調整や血液の循環を促し、身体が行っている “自然なマッサージ”。定番化している「低反発」系から、腰が沈まない最新型の「体圧分散」系まで、最近ではパーソナルデータに基づいた寝具を選べるので、自分の睡眠癖との相性を見直してみましょう。


■音楽
眠る前、あれこれ考えすぎて寝付きが悪いという方には、クラシックやヒーリングミュージックなど「単調な音楽」がおススメです。最初は音楽が気になっても、人は同じ刺激が続くと順応します。感覚を真っ白にして、疲れた脳とココロをリラックスさせてあげましょう。

 

インタビュー/文 鄭美和

遠藤 拓郎先生

PROFILE
医学博士 スリープクリニック院長 遠藤 拓郎先生


東京慈恵会医科大学卒業、同大学院医学研究科修了、スタンフォード大学、チューリッヒ大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。東京慈恵会医科大学助手、北海道大学医学部講師を経て、現在スリープクリニック調布院長。2007年には、スリープクリニック銀座を開設。祖父は、青山脳病院で副院長をしていた時代に不眠症の治療を始め、父は、日本航空の協賛で初めて時差ぼけの研究を行った。祖父、父、息子の三代で、80年以上睡眠研究を続けている。主な著作に『女性のための睡眠バイブル』(主婦と生活社、共著)がある。
スリープクリニック:http://www.sleepmedicine-tokyo.com/

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